【読書】スモール・リーダーシップ
私はエンジニアとして2年間仕事をしてきました。そのため、エンジニアとしての技術的なスキルはある程度身についたと感じています。
一方で所属しているチームについてはこうなれば、もっとチームは良くなるのにと思うことがあります。
技術者個人としての成果は出したいですが、他の人とうまく仕事を行っていくためにマネジメントについても学びたいと思い、この本を読みました。
今の自分にとてもぴったりの本で、学んだことが多く、書きたいことがとても多くなってしまったため、記事をいくつかに分けて投稿しようと思います。
読んだ本
スモール・リーダーシップ チームを育てながらゴールに導く「協調型」リーダー
- 作者: 和智右桂
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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リーダシップと技術は二者選択ではありません。でもリーダシップにはちょっとしたコツ、あるいは考え方の転換が必要です。この本はその「考え方のシフト」について、わかりやすく書かれています。今のあなたに必要な、シフトのフレームワークを与えてくれるでしょう。
技術が好きな技術者のための、リーダーとは何か、マネジメントとは何か、リーダーに必要なマインドセットとプラクティスを網羅的に説明した本です。
学んだこと
ソフトウェア開発の問題は技術だけではない
『ピープルウェア』には、「ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである」と書かれています。ソフトウェア開発に限らず、日々の仕事の多くは人と人との関わりです。個々人が高いスキルを持っていても、その人たちが共通の目標に向かって進むチームとして機能しなければいけません。そして、人の集団がチームとして機能するようになるためにはリーダーの力が必要です。
「ビジネスモデルや組織構造が技術にも影響を与える」というコンウェイの法則などは、まさにチームとして動くための法則だと思いました。
小さいリーダー
2枚のピザで賄えるチームを率いて成果を出す責任を負ったリーダーを小さいリーダーと呼びます。
小さいリーダーが学ぶべきことは、大きく分けて2つです。
- チームとしての機能を高めるための技術
- チームの活動を運営する技術
心構え
この本を読む上でとても重要なパートになります。
このパートについて書いていたら2000文字を超えてしまったため、別の記事で投稿します。
目標に向かうための土台の作り方
- 誰がやるかではなく、どの役割の人がやるか
作業は誰がやるかで決めると属人化するため、どの役割の人がやるかで決める。
「あきらめ」と「ゴリ押し」のどちらにも振り切らない場所に、自主性を醸成するための正解があります。
・持続可能な範囲の負荷で、目標達成に必要なことを考え、できる限りの手段を尽くす
・予定どおりにできそうになければ代替手段を検討し、できる限り早く調整する
しかし、こうしたバランス感覚が組織の中に根づいておらず、メンバーによって態度が異なっていると、場合によっては感情的な対立の原因になります。このバランス感覚はリーダーが生み出さなければなりません。
確かに、長時間労働をしてでも目標達成をしたい人と、長時間労働をするくらいなら諦めようという人のバランス感覚は難しい問題です。
コミュニケーションを通じて忍耐強く、より良い環境作りを心がけたいと思いました。
そのほかにも、目標設定や不確実性コーンの話など、エンジニア組織論への招待などで見たことのある内容が書かれていました。
コミュニケーション
チームで正しく考える技術
- 会議の仕方
- 言葉の伝え方
- ホワイトボードを活用する(図を使えるようにする)
- 論理構造の整理
- 議事録
対立は意見を掘り下げるチャンス
- 目線を合わせる(人狼ゲームは目線を合わせる上でとても良い学びがある)
- 意見を表明してもらう
- 違和感の根元を探る
チーム運営
活動を「見える化」する
活動はオープンにしておき、誰が何をしているのかを明確にする。
問題解決
チームの活動の中で発生する問題には大きく二種類あります。 ・作戦の成功を妨げるものが現れる(小石) ・そもそもの計画が成立していないことが発覚する(作戦負け)
これらに対する対応は大きく異なります。歩いていて小石につまずいたのであれば、その小石を取り除きさえすれば、それからは予定どおり歩き続けられます。したがって、小石の存在を正しく認識し、それに対応することが必要ということになります。
起きている問題は小石なのか、作戦負けなのかも早めに把握する必要があると感じました。
また、考えて行動できるメンバーを増やすための取り組みについても書かれていて、とても参考になりました。
全て書くと長くなってしまうため抜粋しましたが、別のブログで書きたいです。
ふりかえり
KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)、KSF(Key Success Factor:主要成功要因)、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を意識して振り返る
早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け
初めて知った言葉でしたが、とても良い言葉だなと思いました。
感想
チームの全員の役割を明確化し、全員で目標達成のために動くことがとても重要だということを学びました。
私はまだメンバーの立場ですが、チームの中でも個人が責任を持って動ける組織を作っていきたいなと感じました。
「お前がすごいのはわかったから、チームですごいことをやれ。」著者の方が以前言われたことです。私も私自身がすごいとは思わないですが、目の前の作業だけを個人でこなすのではなく、チームで成果を出せるようにしたいと思いました。
チーム全体でこの本を読んで、全ての人から見えている視点を合わせられるようにしたいなと感じました。
「リーダーの最後の仕事は自分がいらなくなること」という言葉がとても良いなと思い、自分ももっと自律的に動き、より良い環境を作っていきたいと感じました。
本書で引用していた読みたい本
- 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,松原友夫,山浦恒央
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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