【読書】世界を変えた10冊の本
読んだ本
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/02/07
- メディア: 文庫
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下記10冊の本の紹介と、なぜ、どのような経緯で本が世界を動かしたのかを書いた本です。
宗教・経済・科学の観点から本が考察されています。
書物が持つ力のすごさ・恐ろしさを学びました。
- アンネの日記
- 聖書
- コーラン
- プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
- 資本論
- イスラーム原理主義の「道しるべ」
- 沈黙の春
- 種の起源
- 雇用、利子および貨幣の一般理論
- 資本主義と自由
感想
アンネの日記
経済状態が悪化し、失業率が高まり、民衆の不満が高まると、「敵」を作り出して民衆の支持を得る。そんな政治勢力が生まれやすくなります。それは、ナチスドイツに限りません。
敵を作って支持を得ることは、支持を得るために一番簡単なことかもしれませんが、敵を作って得られる得に先はないと感じました。
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
ここで取り上げる『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、宗教が経済活動に思いもかけない影響を及ぼした、という分析の本です。社会科学の分野では、『プロ倫』と称されます。この本の論旨によれば、リーマン・ショックに代表されるアメリカの強欲な金融業界を形成したのが、禁欲を説いたキリスト教の教えだったということになるのです。
時間を浪費することは、すべての罪のうちでも第一の罪であり、原則としてもっとも重い罪でもある。労働の意欲に欠けているということは、恩寵の地位が失われていることを示す兆候なのである。
資本主義の精神は、キリスト教のプロテスタントの倫理によって生まれた。これがマックス・ウェーバーの分析です。しかし、プロテスタントがアメリカに渡ると、やがて「職業の義務」だけが残り、宗教的なバックボーンが消滅してしまった、とウェーバーは指摘します。
この本に書かれていることがとても気になりました。
資本論などの本もそうですが、労働をするための本質的なことを学べるのではないかなと感じています。
お金という側面から労働を捉えた本は割と読みましたが、人間的な活動としての労働など、別の側面から労働を切り取って考えら得るようになりたいです。
資本論
ここで気をつけてほしいのは、資本家は人間としての労働者を買うのではないのです。それでは奴隷の売買になってしまいます。そうではなくて、労働者が持っている労働力だけを買うということなのです。労働者は、自分が持っている労働力を、自由に売ることができます。つまり決められた労働時間分だけ働けばいいのです。その意味で、労働者は自由です。
このような本が発行されているのに、実際にはこのような自由が守られていなかったりする事実があることはとても残念です。
雇用、利子および貨幣の一般理論
経済活動を民間任せにしておくと、不況になったとき、各企業とも守りの姿勢になって新たな投資をしようとしません。これでは景気は悪くなるばかり。こんなとき、政府が投資をすれば、つまり財政支出をすれば、投資が投資を呼ぶ形で、経済が活性化する。これが乗数効果なのです。
経済は複雑なので、この理論が必ず上手くいくとは限らないのかもしれないですが、景気を良くするために様々な理論があることを学びました。
資本主義と自由
ケインズが、政府の役割である財政政策に重きを置いたのに対し、フリードマンは、中央銀行の役割つまり金融政策を重視したのです。
景気を良くするため、労働環境を良くするためには、様々なアプローチがあることを知りました。