【読書】論文の教室

読んだ本

新版 論文の教室 レポートから卒論まで (NHKブックス)

新版 論文の教室 レポートから卒論まで (NHKブックス)

学んだこと

論文の書き方

本書の基本的な主張は、論文はアウトラインを膨らませて書くものだということと、論文の命は論証にあるということだ。このため、アウトラインの作り方と論証のやり方に多くのページをさくことにした。これも本書の特徴になっている。

論文はアウトラインを膨らませて書くもの。

根拠や理由と呼んでよいのは、主張を論理的に支える力のあるものに限られる。どんなに感情を揺さぶることであったとしても、われわれの理性を動かすものでなければ、根拠にはならない。

論理的に支えられる根拠や理由をもとに、主張を行う。

ようするに、記述の客観性は、どれだけきちんとした論拠を伴っているかによって決まる。主語が「私」であるかどうかなんて、どうでもいいことだ。

根拠(論拠)のために客観性を持たせるために、確実性の高い事象を使用することが求められる。

全体構造

  • タイトル

論文のタイトルには、「この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか」を書く。

  • アウトライン

論文の骨組みになるもの。

  • 問題提起
  • 論証(気づき)
  • まとめ
  • 参考文献(論文などを使用すること)

アブストラクトに書くこと

  • 論文の目的(どのような問いに取り組んだのか/何を明らかにしようとしたのか)
  • 論文の結論(問いに対しどのような答えを出したのか/調査の結果何がわかったか)
  • 論文の本体でどのように論が展開されるか
  • 文学作品、芸術作品などについて論じた場合は、扱った素材が何であるか
  • 何かを調査した場合は調査方法と調査対象

感想

この本で書かれていた内容は、プレゼンなどにも応用できると感じました。

社会人になって最初の頃、大学院生から社会人になった人と比べて主張が弱くなりがちだったのは、論拠や組み立て方のコツが分かっていなかったからだと思いました。

全体構造を掴み、アウトラインを膨らませていく方針でカンファレンスのプロポーザルなども積極的に出していきたいです。

また、使う言葉や文献を吟味して、言葉遣いも改めていきたいと感じました。

気になった参考文献

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫)