【読書】未来国家ブータン
国際カンファレンスに参加してから、もっともっと海外のことを知りたいという気持ちが湧いています。
様々な文化に触れてみたいですが、実際に様々な国に行くことは難しいため、本を読みました。
読んだ本
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/06/23
- メディア: 文庫
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世界でいちばん幸福な国と言われるブータンについて書かれた本です。
学んだこと
ブータンは小さい国
ブータンは小さい国で人口も東京の八王子市や熊本市の人口と似たような規模です。
狭い社会なので、テレビに出ている人や特集されている人が知り合いということもあるらしいです。
国のあり方
ブータンという半鎖国国家には、大企業がないため、公務員は凄いらしいです。
国王が国の頂点にいて、その周りに公務員が取り囲んでいるという形です。
公務員がやっていることの実態は他の国とそこまで変わりがないことを学びました。
国王が素晴らしい人柄絵で、公務員が謙虚な態度らしいです。
国の地域・特徴
中国とインドに挟まれているため、いつどちらに吸収されてしまうかが分からない。
そのため、ブータンの独自性を出していることは、吸収されないようにするためのアピールとも捉えることができる。
迷った時は占いで決める
自分の決定よりも、占いを信じて決める。日本よりもおとぎ話や伝説などを信じる傾向にあるんだなと思いました。
自由はあまりないですが、教育水準を上げずに経済的に余裕をあまり作らないことで、人生の選択肢を増やさずに葛藤を生まないようなシステムができています。
一方で最近はブータンも都市部は栄えてきており、地方から都市部へ人が移動することがあるようです。
生き物についての捉え方
ブータンの人々は殺生を嫌うため、肉は食べますが魚の卵は食べないです。
小さくても1つの命ととらえるため、魚の卵を食べるのは、大量虐殺をしている気分になるらしいです。
GNH(国民総幸福量)
ブータンではGDPではなくGNH(国民総幸福量)を重視しているとのことです。
ちなみに日本のGNHについて書かれている記事もありました。
日本人は幸福か ― GNH(国民総幸福度)と私たちの仕事。/可児市文化創造センター
牛デート
ブータンの人たちは牛を放牧地に連れて行き、そこに来ないかというデートをするらしいです。
感想
ブータンの文化から幸せについて考えさせられた
本の中には、ブータンの景色などが貼られています。
ブータンの描写や自由についての捉え方を学んで、あえて幸福になりすぎないことは、人として良いのかもしれないと思いました。
ブータンの人々は、自由について考えることなく、目の前の1日1日に集中して生きていると思います。
こういう生き方を見ると、自由を求めて地位・名誉などを考えて生きているのがバカらしく思えました。
自然に寄り添う形で進化していくブータンの経済成長を見て、幸せの一つの形を感じました。
一方で既存の経済学・心理学などで使用されるマズローの5段階の欲求で言うと、社会的欲求までしか満たされていないため、このままで良いのかはよく分からないと思いました。