【読書】孤独の価値

読んだ本

孤独の価値 (幻冬舎新書)

孤独の価値 (幻冬舎新書)

学んだこと

自分を認める存在について

人生には金もさほどいらないし、またそれほど仲間というものも必要ない。一人で暮らしていける。しかし、もし自分の人生を有意義にしたいのならば、それには唯一必要なものがある。それが自分の思想なのである。

仲間や友達の喪失というのは、結局は、自分を認めてくれる存在の喪失なのである。

虚構

一次会であっさりと帰ることができるのは、この虚構の楽しさよりも、自分の時間、自分の家、自分の家族など、現実の楽しさを持っている人である。飲み会が「虚構」だと知って楽しんでいる。

大事なことは、虚構と現実をしっかりと見極めることではないだろうか。

何が現実で、何が虚構なのか、自分が本当に楽しんでいるのか、望んでいるのかを考えたいと思いました。

考えること

考えることは、基本的に自身を救うものである。考えすぎて落ち込んでしまう人に、「あまり考えすぎるのは良くない」なんてアドバイスをすることがあるけれど、僕はそうは思わない。「考えすぎている」悪い状況とは、ただ一つのことしか考えていない、そればかりを考えすぎているときだけだ。もっといろいろなことに考えを巡らすことが大切であり、どんな場合でも、よく考えることは良い結果をもたらすだろう。

誰かに依存するのではなく、自分自身の力で考え抜くことがとても重要だと学びました。

孤独について

そもそも、他人のことを「なんか、あの人、寂しいよね」と評することが間違っている。勝手な思い込みで、一人でいることは寂しいこと、寂しいことは悪いこと、という処理を、考えもしないでしているだけなのだ。同じ価値観で返せば、そういう「考えなし」こそが、人間として最も寂しいのではないか。

自分を認めてほしいという欲求から発するものであり、つまりは「甘え」である。こんな「甘え」による犯罪は、孤独を愛する派ではなく、孤独を怖れる派の犯行であり、つまりは大勢の人が属する常識的な価値観に基づいていることに気づいてほしい。「孤独に耐えられなくなった」という言葉を持ち出すのは、「孤独は悪だ」という宣伝になる。

孤独を恐れて、自分を認めて欲しいという「甘え」を出してはいけないなと感じました。

教育

学校で大勢が集まっているのは、主として「効率」の問題といえる。先生と生徒が一対一では、先生が大勢必要になる。だから、この「学校」という仕組みができたわけだ。そもそも、学校のルーツというのは、西洋では軍隊であって、集団行動を教える場でもあった。それがそのまま学問の場に適用されただけともいえる。

子供部屋というものを造るのは、子供を一人にするためである。年齢が上がってくるほど、子供には一人の静けさを与える方が良い。

孤独を受け入れる

孤独を受け入れる為に、一見無駄に見えることに没頭することが良いです。

自分は馬鹿げたことをしていると実感することが重要。なぜなら、人生はそもそも同じくらい無駄で馬鹿馬鹿しいものなので、何の役にも立たなくても、今まで発見されていなかった新しいことに没頭できることが良い。

研究の本質は、自分を認めてほしいといった欲求とも少し違っている。もし、それがあるとしても、将来認められれば良い、という程度のものでしかない。それよりも、確かめたい自分、知りたい自分によって推進している。孤独が原動力といっても良いくらいだ。だから、孤独を受け入れるなら、なにか研究をすれば良い。研究が、孤独を消費してくれるだろう。

感想

自分を認めてくれる存在はとても貴重です。

一方で、期待を満たす為に自分を押し殺して生きる為、疲れてしまうこともあります。

頑張って疲れた結果、他の人に八つ当たりをしてしまうような「甘え」を行うくらいであれば、最初から孤独を受け入れて優しく生きれるようにしたいなと感じました。