【読書】完全教祖マニュアル
読んだ本
- 作者: 架神恭介,辰巳一世
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 新書
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学んだこと
教祖について
教祖の成立要件は以下の二要素です。つまり、「なにか言う人」「それを信じる人」。そう、たったのふたつだけなのです。この時、「なにか言う人」が教祖となり、「それを信じる人」が信者となるわけです。
宗教について
宗教で大切なことは、それが正しいかどうかではなく、人をハッピーにできるかどうかです。神もこれと同じで、「いる」と仮定した場合に、そこからどんな素晴らしいことを得られるか。問題はそこなのです。つまり、あなたが神にどんな「機能」を期待するのか、そこから考えれば良いのです。
宗教の本質というのは、むしろ反社会性にこそあるのです。特に新興宗教においては、どれだけ社会を混乱させるかが 肝 だということを胸に刻んでおいて下さい。
幸せでない人を助ける
- 社会の基準で幸せになれない人を見つける
- 反社会的な基準を与えてその人を幸せにする
広め方
非インテリ層の一般人にいかに教えを広められるかはとても大切なことなのです。結論から言うと、彼らに必要なのは極限まで簡略化された教えと、御手軽な現世利益なのだと覚えておいて下さい。ヒトラーも『我が闘争』でこのように言っています。「どのようなプロパガンダも大衆にあわさねばならず、その知的水準は獲得すべき大衆の最低水準の人々が受け入れられるようにあわさねばならない」と。
社会的弱者や非インテリ層など、なんとなく後ろめたい感じの部分に広めていくことが重要。
信仰を持つこと
信仰を持った人に「信仰を持って良かったことはなんですか?」と尋ねると、「しっかりとした価値観が持てるようになった」「自分の中に一本芯が通ったから、ブレることがなくなった」「何かに迷っていても、自分には宗教という指標があるからそこに立ち戻れる」といった返事がよく返ってきます。これは言ってしまえば、「自分で考えることが減ったのですごく楽だ」ということです。楽というのはハッピーなのです。
楽であることが良いことなのかどうかはよく分かりませんが、誰かに依存している状態はとても楽だということを学びました。
感想
この本を読んで実際にどれだけの人が宗教を開こうと思うのかは分かりませんが、人を動かしていくマニュアルとして面白い本と感じました。
お金を落としていくことで組織の中でヒエラルキーを保っていけるような構造は、現在のコミュニティや組織にもあるため、このような宗教的な考え方は横展開できるのだろうと感じました。