【読書】腰痛探検家

読んだ本

腰痛探検家 (集英社文庫)

腰痛探検家 (集英社文庫)

腰痛になった著者が、腰痛の治療で苦労したことを語っている本です。

腰痛の奥の深さ、腰痛から学んだ人生観を学びました。

感想

通い続けてしまうメカニズム

一つには治療院の若先生のレトリックがうまいからだ。「痛みがひかない」と言えば、「長年かけてできた痛みは治るのも時間がかかりますよ」と説かれ、「よくなったと思ってもすぐ戻ってしまう」と訴えれば、「そうやって繰り返しながらだんだんよくなっていくんですよ。習い事でも仕事でもそうでしょ?まっすぐすーっと上達することなんてないでしょ?体も同じですよ」などと生活や仕事の姿勢まで含めて諭されてしまう。何を言ってもたちどころに言い負かされる。相手は何百、何千という患者を相手にしているのだ。どんな文句にも対応できる経験と技術を持ち合わせている。

「これではまるで悪い男と別れられないダメな女子みたいじゃないか」

なぜ、「悪い女にひっかかったダメな男みたい」と思わないのか不思議だが、全くそういう女子的な気分なのだ。

腰痛になって通院をやめられなかった著者が、通院を続けてしまうことに対して感じたことを悪い男と別れられない女子に例えていました。

依存してしまっているときに起きることだと思いますが、費やした時間やお金の分だけ、離れにくいことを学びました。

災厄や危険について

災厄や危険は意識すると逆にこっちにふりかかってくる

野球の 野村 監督も選手への指導法でこう言っている。 「『ボール球を打つな』という指導はダメ。かえって注意がボール球に行ってしまうから。そういうときは『ストライクを打て』と言わなければ」

ネガティヴなものは「避けなければ」という思いが強いだけに、人間の意識を根こそぎ持って行ってしまう。腰痛はその代表的なものである。腰痛は辛いと思えば思うほど存在感を増す。治さねばと思うほど、痛みが強くなる。そういう意味で、腰痛は困った伴侶 であり、手のかかる我が子である。愛すれば愛するほどに苦しみが増す。

肝心なことは、何か心身に不具合が生じたとき自分をリセットできる場を持つということだと思う。私は「痛くなったら泳ぐ」というパターンをつくった。泳げば治るまではいかなくても、いつもの状態にリセットされるわけだ。あるいはただそう「信じている」だけかもしれないが、信じることは重要だ。

本の中で著者の方は腰痛を治すために、様々な治療法を試します。

しかし、腰痛について考えれば考えるほど、辛い気持ちになってしまいました。

自分のネガティヴ思考パターンを切り替えるための行動パターンを作ることが重要だということを学びました。