【読書】PMの哲学

読んだ本

PMの哲学

PMの哲学

中規模ITプロジェクトにおけるPMがどうあるべきか・どう行動してくべきかについて書かれている本です。中規模プロジェクトは、200人月以下、2000FP以下。

それ以上は、著者の前著「プロフェッショナル PMの神髄」を参照してほしいとのことです。

プロフェッショナルPMの神髄

プロフェッショナルPMの神髄

PMである前にSEであれ

中規模プロジェクトにおけるPMはプロジェクトマネージャであることが多い。

チームを牽引し、顧客の求めるものを的確に把握し、ITシステムという形で実現していくことが求められる。

その使命は自ら設計・開発したシステムが、自ら求める品質を保証し、定められた期間とコストで、着実に動くシステムを提供すること

SEとしてPMを実践していくための本です。

学んだこと

QCDを意識

Q(品質) > D(納期) = C(コスト)

  • 品質はゴルフでパーをとるように
  • 納期はプロジェクトの特徴の1つである「有期性」になる

品質曲線

  • 通常のプロジェクト

要件定義・外部設計段階で、制約事項を洗い出しし、製造工程で作り込まれた障害(バグ)をテスト工程でつぶし品質を上げていく。

  • 顧客の要求事項の把握が不十分な場合の品質曲線

顧客検収の時点で判明することも多いため、品質が最後の方まで上がらない。

  • 設計・開発フェーズで破たんした場合の品質曲線

設計フェーズで品質をチェックせずに品質が急落してしまった場合、リリース時点でも要求品質以下のものをリリースすることになってしまう。

PMBOKのポイント

本書の中では、PMBOKは大規模プロジェクト向けのものであったり、IT業界以外でも使用できるため、ITの中規模プロジェクトでは当てはまらないこともあると記載していました。

また、PMBOKってそもそも何なのか分からないので、本を読みました。こちらは別で記事を書いているので、併せて読んで頂けますと大変幸いです。

独自性・有期性

PMBOKの定義の中でも特に大事な概念は独自性有期性。プロジェクトには同じものがなく、特異性が存在する。プロジェクトを成功させるには特異性に応じた対応が必要。

柳の下に二匹目のドジョウはいない → 過去のプロジェクトの経験をそのまま適用すると失敗する。

制約条件のバランス

特異性を生み出すもの。リソースや人材のスキルなどによってタスクの優先順位を決めておく必要がある。

段階的詳細化

少しずつ明細化していくことが基本。

コンピテンシー

専門知識だけでなく、知識をベースとして実際に実行できる「執行能力」が求められる。

知識と執行能力だけでなく、リーダーシップといわれる「人間性」も求められる。

PMになる人は、基本的にはメンバーとしては優秀な人が多いため、生産性・品質は他のメンバーよりも高い。

メンバーの成長を促しながら適切な助言・アドバイスをすることで、品質・生産性を向上させる。

ステークホルダーマネジメント

プロジェクトメンバーが、相対する顧客のメンバーと信頼関係を獲得し、スムーズに仕事を運べるように指導する。

PMイズム

PMに求められるプロとしての責任と社会的な責任のこと。倫理規程。

コンプライアンスに配慮しつつ、プロフェッショナルとしての技術のたゆまぬ研鑽を継続し、謙虚に自分自身を見つめ高みを目指し続けることが求められる。

ITプロジェクト全体で考慮すべき事項

  • 体制
  • スケジュール
  • サブシステム構成図
  • 標準化
  • 品質保証の考え方
  • 見積もり
  • 収支管理(あまり気にしなくても良い)
  • 現行機能の保証

要件定義

  • 前提条件の整理
  • 報告基準の策定
  • 終了基準の策定
  • レビュースケジュールの策定
  • PMとしての品質保証活動

PMの心得

  • プロとしての自己確率
  • 一歩先を行くマネジメント
  • 検証力を鍛える

プロとしての自己確率

  • 基本に忠実
  • 逃げない
  • 愛情